「府民連ニュース」10月19日号を紹介します
いまだ具体像さえ見えない「大阪都構想」
「何か危ういんじゃないか」とマスコミも指摘
橋下府政が打ち出してきた「貸金特区」提案は国に拒否され、大阪市「分市案」も早々に撤回、「関西広域連合」も奈良県・大阪市・京都市・神戸市は不参加を表明。いずれも橋下府政の根幹にかかわるものです。
こうしたもとで、部分的ですが、メディアのなかに、従来の報道姿勢、報道内容を問い直す動きがあらわれています。
「朝日新聞紙面審査会」(朝日新聞10月16日付)
大阪都構想「具体的な中身がないならそう書くべきだ」
(佐藤友美子サントリー文化財団上席フォロー)
「いまだ具体像の説明がなく、解説が難しい」
(朝日新聞大阪本社記事審査室委員)
佐藤友美子委員(サントリー文化財団上席フォロー) 「大阪府の橋下知事が提唱する『大阪都構想』については、『橋下知事vs平松・大阪市長/意見交換会』(9月10日朝刊)など、大阪本社版で記事がたくさん出ているが、いくら読んでも、大阪府と大阪市が合併することによる二重行政解消の利点や、どんな不都合があるのか、具体的な姿が見えてこない。取材したうえで、具体的な中身がないならそう書くべきだ。選択の責任は市民にあるので、客観的に判断できる材料を提供してほしい」
横川修(大阪本社記事審査室委員) 「この構想は橋下知事が年明けに表明したが、いまだ具体像の説明がなく、解説が難しい。あと半年で大阪府議選や大阪市・堺市両市議選などがあり、構想を検証して論点を示していきたい」
「毎日新聞」記者の目(毎日新聞10月6日付)
「知事が発する『言葉のシャワー』を吟味し、真意を見極め、的確に警告を発する力を培っていかなければならない」
(大阪社会部、堀文彦記者)
「大阪都にまい進する橋下知事/単純な対立構造に危うさも」を掲載。維新の会のタウンミーティングでは、「刺激的なフレーズを交えたエネルギッシュな弁舌が聴衆の心をとらえる」などと紹介しつつ、「どうしても疑問や違和感が残る」こととして、「まずは、知事が言うように停滞の最大の原因は府・市の『二重行政』なのかという点」「二つ目は対決演出型の手法」を指摘。傍聴者の感想を紹介して、「府民も『分かりやすさ』と『危うさ』の両面を感じ取っている」と指摘。最後に、「私たち記者も、知事が日々発する『言葉のシャワー』を吟味し、真意を見極め、的確に警告を発する力を培っていなかければならないと自戒している」と結んでいます。
マスコミ倫理懇談会全国大会・分科会から(朝日新聞10月6日付)
「これは(記事に)ならないのか。『根拠は何だ』と議論になる。それが毎日続く」
(読売新聞社会部府庁担当・池口次郎記者)
「危険な部分も感じる」「何か危ないんじゃないか」
(民放担当者、解説委員)
大阪府の橋下徹知事は毎朝、登庁時に取材に応じる。発言は夕刊に掲載されたり、昼のニュースで流れたりすることも多い。 報告者を務めた読売新聞大阪本社社会部の府庁担当、池口次郎記者は、知事が「『コメンテーター状態』と言われている」と紹介し、「知事がコメントすること自体がニュースになっているとし、『(掲載しない)判断をしても、テレビがニュースで流し、別の新聞社がネットで流したりすると『これはいらないのか。根拠は何だ』と議論になる。それが毎日続く』。 民放の府庁担当者は…「危険な部分も感じる。ただ、よく勉強しており、是々非々の『非』と指摘できるところが少ない」。(統一地方選をひかえ、党の宣伝にならないよう注意している)。 在阪の民放の解説委員も「何か危ういんじゃないか、というモヤモヤしたものを伝えるのもメディアの役割だが、具体的に指摘することが難しい」と語った。
「学生・大阪維新の会」発足の報道(大阪日日新聞10月15日付)
目次でも記事でも「筋道が見えにくい大阪都構想」
日ごろ、橋下知事や「維新の会」を大々的に報道している「大阪日日新聞」。14日に開催された「学生・維新の会」旗揚げについても、大きく報道。しかし、1面の目次では「道筋が見えにくい大阪都構想」と書き、報道記事では「(橋下知事は)不安な現状を打開するリーダー。…賛同している」という声とともに、「ビジョンが見えないと進みにくい」「どう大阪がよくなるのか道筋がよく分からない」という学生の声も紹介しています。
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