府民連ニュース2009年9月10日号
防災・財政・利便―「百害あって一利なし」の府庁WTC移転
府民連・大阪市対連「WTCウォッチング」
橋下知事が9月府議会(9月25日開会)にWTC府庁移転を再提案しようとするなかで、府民連と大阪市対連(大阪市対策連絡会議)は10日、「WTCウォッチング」をおこないました。
緊急の企画にもかかわらず40名が参加、海上・陸上からWTCと周辺地域を視察しました。
チャーター船に乗り込んだ参加者を前に、堀田文一・日本共産党府議が移転問題のポイントについて報告しました。
堀田氏は、2月府議会でも指摘された防災対策はなんら解決されていないこと、さらに府民の利便性がそっちのけにされていることを指摘。
しかも、財政面でも府の試算では職員・府民の来庁時間コストや危機発生時のコストが計算に入っておらず、「耐震改修よりもWTC移転が94億円安上がり」という府の主張は“虚構だ”と批判しました。
そのうえで、平松大阪市長・橋下知事と財界の代表だけでWTC周辺地域・大手前地域の開発計画を相談しようとしていることを紹介、府庁WTC移転のねらいについて「財界と二人三脚で土木事業を次々と起こし、大阪を食い物にしようとするもの」とのべました。
大阪湾内を航行しての視察では、大阪市主導のベイエリア開発の現状について、大阪市労組の斎藤氏が説明。
ATCや夢舞大橋、1基380億円のコンテナバースや「新人工島」など、“負の遺産”が累々と並ぶ状況に、参加者からはため息がもれました。
そのあと船を下り、大阪自治体問題研究所事務局長の谷口氏の案内でWTC本体内部へ。
WTCからは、ベイエリア地域・大阪湾全体が一望できます。
府と大阪市の構想では、夢洲に「国際物流機能」としてコンテナターミナルなどをさらに整備、企業誘致をすすめ、WTCのある咲洲には府庁のほか、フェリーターミナルを移転させインテックス大阪などコンベンション(大規模博覧会・見本市)機能をさらに整備するとしています。
鉄道や高速道路の建設もさらにすすめようとしています。
ウォッチングの最後に、是枝・大阪市対連事務局長が「足並みをそろえ、9月議会への働きかけをともに強めよう」と参加者によびかけました。
また、「国際児童文学館を育てる会」よりシンポジウム(9/23P1:30-エルおおさか)の案内がありました。
参加者は「あらためて見たらWTCは海の中に立っているようなもの。津波対策はどうするのか」「大阪湾は『ムダづかい』の見本市。それを続けるために府庁をもってこようとするとは府民をバカにしている」「再否決させる運動にとりくみたい」などと感想を語っていました。
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