府民連ニュース2009年7月27日号
「府民が育ててきた府立施設を知事の独断でつぶすことは許されない」
――第3回府立の施設見学会
府民連は24日、「第3回府立の施設見学会」を開催しました。
16名が参加、マイクロバスで府立上方演芸資料館(ワッハ上方)、府立狭山池博物館、大阪府立大学を見学しました。
ワッハ上方(府立上方演芸資料館)では、伊東雄三館長の案内で館内を見学。
資料の展示だけでなく、映像ライブラリー・レッスンルーム・小演芸場「上方亭」などが若手の育成の場になっていること、ホールを活用しての地元商店街とも協力してイベントをおこなっていることが紹介されました。
「鶴瓶さんも、新ネタ披露の前には『上方亭』で1回演らはるんです」(伊東館長)。
直筆台本や「横山ホットブラザーズ」の“ノコギリ”など、1千人近くから寄贈された5万7千点の資料が整理・保管されている7階の収蔵庫では、一つ一つの資料に参加者の歓声があがりました。
伊東館長は「昨日の『戦略本部会議』で通天閣移転の方向が出された。しかし展示室面積は3分の1になり、ホールやレッスンルームなどもなくなる。在阪マスコミや多くの演者、府民の力で育ててきたものを知事の一言で捨てていいのか」と参加者の前で強調しました。
続いて訪れた狭山池博物館は、1988年からの狭山池「平成の大改修」にともなって建設された土木土地開発史の学習・研究センターです。
7世紀から繰り返し改修され、大阪南部全域に水を供給してきた狭山池。千四百年間の改修の歴史が地層のように重なった堤の遺構をはじめ、阪田学芸員からその歴史と意義の説明を受けながら、館内と周辺を見学しました。
同博物館は、「橋下改革」にともない今年度から大阪狭山市と共同運営になり、大阪狭山市郷土資料館が移転してきて府の予算も約4割削減されました。
阪田学芸員は、「この博物館も大勢のボランティアに支えられています。ところが府は、『ボランティアを利用して経費削減をはかる』などと、コスト面でしかボランティアの意義をとらえていない」と強調。「府の博物館は市町村の博物館とはちがう広域的な役割を担っている。いまの府政はそれを放棄して市町村におしつけようとしている」と批判しました。
最後に訪れた大阪府立大学は、橋下知事が「大阪市大との統合を」とのべるなど、今後のあり方が懸念されています。
府からの運営交付金はこの5年間で3分の2に減らされ、教員一人あたり研究費(理系)は年間50万円から40万円に。
現状を説明した府大教職員組合の望月委員長は、「教員は『出張の旅費がなく学会に参加できない』などと悲鳴をあげています。結局、『大企業の利益にすぐつながる研究をして外部から資金を調達しろ』ということです」と指摘。
また学生の状況についても、「年間54万円の授業料に加え、獣医学科の学生は今年から『実験機器充実負担金』などとして年間20万円ちかくを徴収することになり、学生に重くのしかかっています。学費が払えず中退する学生もふえています」と説明。
同時に、教職員組合と学生自治会が共同でとりくみ、全学生の4割が署名した「PT案撤回を求める全学署名」の経験も紹介されました。
「見学会」参加者は、「府民がつちかってきた大きな財産を大阪府は持っているんだと実感した」「話には聞いていたが、実際足を運んで目で見て、これらを片っ端からつぶそうとしている橋下府政の実態に怒りがわいた。府民にもっと知らせたい」など感想をのべていました。
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